ブラッディ アリス
湯気が立ち上がるバスルームには、大きな窓があり、そこから無数のネオンと幾つかの星々が光り輝く。
服を脱いだ二人は、薔薇の花びらが浮かぶ乳白色の湯船に静かに浸かった。
「…懐かしい…。母様と入ったの…思い出すわ…」
「…ウィン様とは入らなかったの…?」
「…父様となんか…入るわけないでしょう…」
少しムッとしたアリスの髪を背後からゆっくりと撫でるラビ。
「…知ってたの…?今日ジャックがここに来てるって」
アリスは薔薇の花びらを掴んでは、手から舞い散らせる。
「…会ったんだ?…ジャックに…」
アリスの問いかけに曖昧な反応を示すラビ。
「…今さっきね。…ねぇ…知ってたの?」
「……知らなかった。本当だよ。あれ以来、連絡はとってないし。知ってただろ?」
長いラビの髪の毛が、アリスの体に纏わりつく…。