ブラッディ アリス
「知ってたわ。悪いけど、あなたのケータイ毎日見てたから」
アリスは後ろを振り返ると、ラビの反応を確認するように見ながら目を細める。
「…ぷっ…。なんだかんだホント可愛いよね。アリスは」
「…馬鹿にしないでよ…」
アリスは顔を前に戻すと、また薔薇を掴んで遊ぶ。
後ろでクスクスと笑うラビは、アリスの肩にお湯をかける。
「…アリスが他の男と知り合うのは…あんまり面白くないんだけどね」
「…何言ってんの?…引き合わせたのはラビじゃない」
「…まぁ…否定はできないかな」
誰かがこの会話を聞いていたら、ただの恋人同士だと思うのかもしれない。
アリスは少し不思議な気持ちで、うっすらと自分の映る水面を見つめる。
「…ジャックはカルサに会いに来たのよ。そして私をサジタリウスに迎えるよう仕向けた」
「…サジタリウス?」
「…知ってたんでしょ?今サジタリウスで問題になってること」
「………」