ブラッディ アリス
あの一件を終えて屋敷に戻ったアリスは、ラビにジャックについてを聞くことはなかった。
何を聞いても話さないだろうと考えたアリスは、次の日からラビのケータイを小まめにチェックすることにしたのだ。
当然そんなアリスの行動はお見通しだったラビ。
そしてそんなラビの考えも見通していたアリス…。
結局…ラビからジャックへの着信履歴は、あの処刑の日以外何も残っていなかった。
「…まったく…執事ってなんなのかしら…」
アリスはブツブツと呟きながら、エレベーターに向かう。
「…まぁ…それが私とラビのベストな距離…なんだろうけどね…」
アリスはニヤリと笑うと、嬉しそうに鼻歌を歌い始めた。
「…余裕だな。おい」