ブラッディ アリス
「なんで俺に八つ当たりすんだよ?!」
「あんただからに決まってんでしょ!」
怒鳴り合いながら会場に辿り着いたアリスとミカエルは、場内に入るなり一斉に注目を浴びる。
「……」
すでに場内に待機している全員の視線を受け、黙り込む二人。
「…ぷっ」
そんな二人を見て、思わず吹きだしたイザベラがにっこりと笑って近づいてきた。
「ふふ…。おはよ。朝から元気ね。あなたたちを見ると安心するわ」
「お…おはようございますわ…」
「…すいません…。おはようございます…」
アリスとミカエルは俯いて軽く礼をする。
「…えっと…アリス……大丈夫?」
イザベラの不意な問いかけに顔をあげるアリス。
「あ…昨日は…ありがとうございますわ…。…もう大丈夫ですわ」
そんなアリスを見て、イザベラは一瞬顔を曇らせる。
「…そう…。なら良いの…。さ、席に着いて」
「…?」
どこか様子がおかしいイザベラを不思議そうに見つめるアリスは、視界の先に座っているソーディルと目を合わせた。
しかしソーディルは、わざとらしくアリスから目を逸らす。
「………?」