ブラッディ アリス


アリスは自分で用意してきた書類を確認する。

「…キオネ嬢は七人の従者たちと一緒に私を待っていました。その中に『ジャック』もおり、私はそこで初めてジャックと話しました。キオネ嬢の命令で、私は『ジャック』を除く六人の従者に暴行されそうになり、その後、なぜかジャックが六人の従者たちを殺害…。そして私と執事をおいて、先にその場から去りました」


そういえば…カルサもジャックと繋がってるんだっけ…。


アリスは不意にそれを思い出し、カルサの様子を窺った。
カルサは青ざめた表情で、じっとレジュメを見つめている…。

「…そしてベルアベスタ邸に戻った私と執事は、すでに殺害され倒れている侯爵を発見。キオネ嬢の姿はどこにも見当たらず…。神殿へ向かい、司教に事の全てを告げ、あとを託し帰宅をしました」


アリスはそっと書類をテーブルに置くと、まっすぐウィッシュを見つめた。


「これが一連の流れですわ」





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