ブラッディ アリス
「お…王家の自家用ジェットって……そんな急に大丈夫なの…?」
不安そうなカルサの横で、どうしたら良いのかわからない執事マキシマが心配そうにアリスを見ている…。
「大丈夫ですわ。我がアベル家と王家の自家用ジェットは兼用という契約で……カイルから返事がきましたわ…」
件名:了解。
本文:準備しとくよ。今夜行くわ。
「マキシマ、急いでキャンセルしてくださいませ」
アリスはパタンッとケータイを閉じ、ニヤリと笑う。
「わ…わかりました。ちょっと電話してきます」
アリスの余裕な笑みで確信を得たマキシマは慌てて場内を出て行った。
「…お前…少しは自重しろよ…」
蚊帳の外だったミカエルが不服そうにアリスに注意する。
「…自重って…?…あぁ…カイルのことね…」
アリスは少し考えた後、にっこりとミカエルに笑いかける。
「…仕方ないわ。だって親友だもの」
「……」
もう何を言っても無意味だと思ったのか、それ以降ミカエルはカイルのことについて触れるのを止めた。