ブラッディ アリス
ⅩⅣ
「ア・リ・ス」
最初の円卓に戻ったゾディアックメンバーは、昼食ということで各々好きな席へと着く。
アリスの横を素早く陣取ったのは、イザベラとフォルチュナだった…。
「…フォルチュナ様…」
フォルチュナはかなり気まずそうにアリスの横へ腰かける。
「…アリス、あのね…お願いがあるのよ」
昨夜のことなど知りもしないイザベラは、昼食に手をつけながら淡々と話し始めた。
「…な…なんですの?」
アリスはあえてイザベラの方を向き、昼食を食べ始める。
「今回の、うちとフォルチュナ様のあれなんだけど…」
「ええ…」
「アリスに専属でイメージモデルをやってほしいの」
「…ええ…。…え?」
アリスは思わず聞き返す。
「…ほらぁ…アリス、前回のエンジェルローズ・コンテストで優勝したじゃない?…やっぱり私たちの周りで見ても、10代ではアリスが一番美人だと思うのよ。ね?フォルチュナ様」
イザベラは嬉しそうに、フォルチュナに同意を求める。
「…な…」
あまりに突飛な話に、アリスは硬直したまま数秒間止まった…。
「…そうね…。アリスが一番だと私も思うわ。あなたに憧れてる女の子たちは世界にいっぱいいるし…」
フォルチュナが静かに食事をしながらイザベラに同意する。