ブラッディ アリス
アリスはさりげなくフォルチュナの姿勢を確認すると、自分もこの場では何事もなかったように振舞おうと決心した。
「ですが…あの……私は…」
「じゃ、撮影は三ヵ月後くらいから始めるから。主にウェディングドレスよ。どうせ国の方は王家に任せてるんでしょ?…じゃあ…それなりに空いてるわよね」
アリスの意見を無視して、強引に話を進めるイザベラ…。
「じゃ…じゃあ俺…婿役やってもいいぜ!」
アリスの横に座りそこね、仕方なくイザベラの隣に座ったミカエルが会話に割り込む。
「…何よ…ミカエル…」
図々しいミカエルにイザベラは嫌な表情…。
「アリスの婿役なら、ぜひ立候補したいね」
フォルチュナの隣に座ったクラウドも割り込んできた。
「んー…クラウドはちょっとねぇ…」
微妙な笑みでクラウドに答えるフォルチュナ。
「や…あの…」
勝手に進められる談議に、アリスは入り込む余地もなく…。
「…やっぱりラビじゃない?顔もそんな知れてないし。婿役っていうのは、そういう人物がいいのよ」
アリス以外の4人が一斉にラビを見る。
「…まぁ…べつに構いませんよ…」
しっかりと会話を聞いていたラビが、内心…アリスの婿役は自分が当然やるべきだ…と思っていたのは、間違いない。