ブラッディ アリス
ⅩⅤ
午後1時半…アリスとラビは帰路についた。
「でも、早く終わって良かったんじゃない?…今からなら9時頃には家に着くよ」
「…そうね…」
アリスはさっそくカイルにメールを作成し始める。
「……で、カルサ様はどうしたんだ?」
ラビは車を走らせながら、何も言わないアリスに自ら尋ねた。
「…カルサは『知り合い』と帰るんだって…。まぁ誰だかは予想つくけど」
「……ふーん…」
アリスの言い方に、ラビもそれが誰だかなんとなく理解した。
「……恐らく…だけど……ウィッシュ様の急用は…嘘ね…」
「…え?」
ちょうど信号で車を停めたラビはアリスを見る。
「もしあの後…普通にベルアベスタ家についての話になってたら…どうなってたと思う?」
アリスは送信ボタンを押して、すぐにラビを見る。
「…どうって…」
「あのミカエルでも気づいたのよ…。みんなも疑問に思ってるはずだわ…」
……文書は誰が受け取って…誰が承認印を押したのか……。