ブラッディ アリス
「…ふっ……なるほどね…」
ラビは納得したように笑うと、また車を走らせた。
「…まぁ…いいわ。少し様子見ね。…とりあえず私は、カルサの件を処理しないと」
アリスは楽しそうに微笑みながら窓の外を眺める。
「…今回のゲーム…カイルは強制参加でいくよ」
そんなラビの一言に、アリスの驚いた表情がサイドミラーに映る。
「…そうなの?…カイルは足に使えばいいと思ってただけなのに…」
「男女のペアが都合いいんだ。僕は年齢的に無理だから…」
ラビはニヤリと笑うと、車の速度を上げ始めた。
「まぁ詳しくは帰ってから話すよ。カイル来るんだろ?」
「…うん…」
「少し寝なよ。ハマルに着いたら起こすから」
「…わかったわ…。ありがとう…」
ラビの言葉に疑問を抱きながらも、アリスは少し休むことにした。
座席のシートを倒し、また窓の外を眺める…。
「…ジャック……」
アリスはそう呟いて、ゆっくりと瞳を閉じた。