ブラッディ アリス



バタンッ……ガチャ………バンッ…!!


……ガチャ…。



「…ん?」

誰かが車のドアを開け閉めする音…。



「…おかえりー!アリスー」

目を開けると、星空を背にカイルが立っている…。

「…車で寝るなんて初めてなんじゃない?」

「ホテルではバスルームで寝たよ」

カイルに笑いながら答えたラビは、荷物を抱えて車の前を通り去る。

「…え?…もう屋敷…?」

「そうだよ。お疲れ」

にっこりと笑うカイルの服からは、微かに血の臭い…。

「…今日も殺したの…?」

「…殺したっていうか…解体?…いらなくなったやつ」

「……」

それを想像したアリスは、車中での寝起きということもあり、少し吐き気を感じる…。


「…解体って…自分でやるの…?」

「最近始めたんだよ。それがけっこー面白いんだよね」

「…あ…そう…。…良かったわね…」

楽しそうなカイルに呆れながら、アリスはゆっくりと車を降りた。







< 230 / 657 >

この作品をシェア

pagetop