ブラッディ アリス
バタンッ……ガチャ………バンッ…!!
……ガチャ…。
「…ん?」
誰かが車のドアを開け閉めする音…。
「…おかえりー!アリスー」
目を開けると、星空を背にカイルが立っている…。
「…車で寝るなんて初めてなんじゃない?」
「ホテルではバスルームで寝たよ」
カイルに笑いながら答えたラビは、荷物を抱えて車の前を通り去る。
「…え?…もう屋敷…?」
「そうだよ。お疲れ」
にっこりと笑うカイルの服からは、微かに血の臭い…。
「…今日も殺したの…?」
「…殺したっていうか…解体?…いらなくなったやつ」
「……」
それを想像したアリスは、車中での寝起きということもあり、少し吐き気を感じる…。
「…解体って…自分でやるの…?」
「最近始めたんだよ。それがけっこー面白いんだよね」
「…あ…そう…。…良かったわね…」
楽しそうなカイルに呆れながら、アリスはゆっくりと車を降りた。