ブラッディ アリス


一瞬ビクッと反応したアリスは、扉から現れたラビを直視。

「ごめん。今、お茶を入れるから」

アリスを確認したラビは、二人を見るなり慌ててキッチンへと向かう。
そんなラビを目で追うアリスとカイル…。

ラビの姿が見えなくなると、二人は同時にため息をついた。


「…まぁとりあえず…ナナリのことは置いとこうよ…。幸い…表にはバレてないんだし」

カイルはキッチンの方を気にしながら少し声を小さくして言う。

アリスは優しく笑うカイルに微笑み返すと、「そうね」と小声で答えた。



しばらしくして、三人分のお茶を持ってラビがリビングに戻ってきた。

「カイルに話した?明日のこと」

ラビはアリスとカイルの前に丁寧にお茶を置くと、アリスの隣に座って自分用のお茶を口に含んだ。

「これからよ。っていうか、ラビがいないと話にならないじゃない」

「…そうだね」

ラビは意味深にカイルに笑いかける。


「…明日はサジタリウスだっけ?」

カイルは不思議そうな顔でアリスとラビを交互に見つめた。




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