ブラッディ アリス
「今回のゲームを一から説明するよ」
ラビはポケットから取り出したものを二人に見えるようにテーブルに置く…。
「従者登録会員カード…?…偽造のね。これを使うの?」
アリスはテーブルに置かれたカードをじっと見つめながらラビに尋ねる…。
「情報によると…今回のゲームの舞台『スイーツホーム』には、成人した男女は入ることができないらしい…。そこの主…リトルメラ侯爵と、その部下や召使たち以外はね…」
そう説明を始めたラビは、少し残念そうに笑った。
「つまり……そこに執事として雇われようってわけ?」
「正解。さすがカイル王子」
そんなラビの言葉にアリスは少し怒ったように口を開く。
「どうして?!…私の執事として一緒に赴けばいいじゃない…」
「…今回…アリスはアベル家当主として行くんじゃないよ…。もちろんカイルも…王子として行くんじゃない…」
「……は?」
アリスとカイルは声をハモらせ、目を大きく見開いた。