ブラッディ アリス
睨むアリスに対しニヤリと笑ったカイルは、ゆっくりとベッドから降りる。
「ウソ。もうバッチリ起きた。…じゃ、二階のシャワー借りるね」
「………?」
そう言いながら部屋を出て行くカイルの後ろ姿を、アリスは不思議そうに見つめていた。
約一時間後…それぞれ身支度を終えたアリスとカイルは一階へと向かった。
「おはよう…。遅いわよ。二人とも…」
すでに朝食を食べていたナナリが、クスクスと笑いながら二人を見る。
「おはよう。ナナリ」
カイルはそう言って堂々と椅子に座り、朝食に手をつける。
「おはようございますわ。…ラビは?」
アリスは軽く周りを見渡した後、ナナリに尋ねた。
「荷物、車に積んでくるって言ってたわ。…今回は長期出張になるかもって言ってたけど……気をつけてね…アリス…」
心配そうにアリスを見るナナリ…。
優しくて、穏やかな…これが本当のナナリ…。
「大丈夫ですわ。すぐに帰ります」
アリスはそう言って微笑み返すと、自分の席に着いた。