ブラッディ アリス
そうして車に乗り込んだアリスとカイルは、静かにラビが来るのを待つ…。
「…荷物って…ラビの分だけじゃん…」
車に用意された黒いバッグをカイルは徐に覗き込んだ。
「…あれ?これ…最近発売した超小型液晶テレビ…」
バッグの中から小型のテレビを勝手に取り出し、スイッチを押す…。
「…ん?この車が映ってる…。だんだん近づいてくる…」
「なに?それ?」
助手席から身を乗り出してテレビを覗き込むアリス…。
画面には、たしかに現在のアリスとカイルの真横から見た状況が映し出されている。
そして二人が同時に横を振り向いた瞬間…。
「…ホント目敏いよね…二人とも…」
見たことのない眼鏡をかけたラビがそこに立っていた。
「…もしかして…その眼鏡…」
アリスの言葉ににっこりと笑い返したラビは、眼鏡を外し、それをカイルに渡す。
「これを使って。カイル。僕はそのテレビで二人の状況を見てるから」
眼鏡には小さな細工があり、そこが隠しカメラになっているらしい。
そして次に、ラビはアリスに指輪を渡す…。