ブラッディ アリス
指輪はアリスの左手薬指にピッタリとはまる。
「その指輪はマイクになってる。つまり、離れていても僕は二人の状況が把握できる」
ラビは左耳につけた変わった形のピアスを光らせると、運転席に乗り込んだ。
「いつの間にこんな物を…」
アリスは驚いた表情で指輪をじっと見つめている。
「いずれ必要になると思ってさ。使う時がきて良かったよ」
ラビは嬉しそうに微笑むと、勢いよく車を発進させた。
アリエス国王家所有…エアポートまでは30分くらい…。
しばらくアリスとカイルは、ラビにもらった道具を眺めていた。
「…なるほどね…。でもこれ、ラビがスイッチ入れないと意味ないんでしょ?」
「まぁね…。極力チェックはするよ」
そんな二人の会話を聞きながら、アリスはケータイを開く…。
「アリスの方は?そのピアスから声が聞こえるんだろ?」