ブラッディ アリス


ラビのつけているピアスは、飾りと思われる一部が、外耳道まで入りこんでいる。

「そうだよ。でも…この宝石の部分を押さないと、声は聞こえない」

「…ふーん…。じゃあ全部わかるわけじゃないんだ…」

カイルは後ろからラビの左耳を興味津々というように見つめている。


「………大丈夫かしら……」


ラビとカイルの会話を遮るように、突然ため息をつくアリス…。


「…なにが?」

ラビの左耳を見ていたカイルの目線がアリスに向けられる。

「…子どものフリ…できるのかしらって思って…」
アリスはケータイをいじりながら、また…ため息をつく。

「演技には自信があるんじゃなかったっけ?」
ラビは少し意地悪く笑いながら、不安そうなアリスに問いかける。

「…あるわ。…あるけど…」

「そうえばさ、格好とかは?どうすんの?…僕とアリスって今かなり世界にとって注目の的だからさ…ヤバイと思ってたんだけど…」

「…そう!それよ…!」

アリスはカイルの言葉に激しく同意。


そんなアリスを横目で見たラビは、優しくアリスの頭を撫でる。







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