ブラッディ アリス
三人が乗ったジェット機はゆっくりと空中へと舞い上がる。
アリスはさりげなく両手を耳にあて、目を瞑る…。
「…よし、シートベルト外していいよ」
しばらくして、カイルの一言と共に、カチャカチャとベルトを外す音が機内に響いた。
「ふー…」
大きく体を伸ばしたアリスは、窓から真っ青な景色を眺める。
「…」
ラビは一人立ち上がると、ガサガサと荷物をあさり始め、そこから何かを取り出した。
「……もしかして……それを着るの…?」
ラビが広げた物に唖然とするカイル…。
「?」
外を見つめていたアリスがラビの方を振り向く。
「…そうだよ。これが村落に住まう子ども達が着ている服」
ラビはウインクをした後、それぞれの服を二人に手渡した。
質素な素材の生地にシンプルな刺繍の模様…。
一応アリスのは黒いワンピースと、クリーム色の七分袖シャツ…。
カイルの服はベージュの七分袖シャツに、デニムのハーフパンツ…。
「………」
しばらく、アリスとカイルは開いた口が塞がらないようだった。