ブラッディ アリス
「それでも新品なんだから、文句言うなよ」
ラビはにっこり笑うと、次に靴を二人に渡した。
アリスもカイルも…同じ革のブーツ…。
「…こ…これを僕が…?」
「こんなの…一生の汚点だわ…」
ラビに与えられた物を見つめながら、ブツブツと呟き始めるアリスとカイル。
「いいから。…二人とも黙って着替えて」
ラビが軽く力を入れつつアリスの腕を掴んだ。
「…ちょっと待って!今着替えたらカルサに会えないじゃない!」
アリスは慌ててラビの手を振り払う。
「カルサ様には終わってから会いに行けばいいよ。とりあえず、少しでもその服装に慣れないと…」
ラビはアリスを無理やり立ち上がらせると、着替えるよう促した。
「……もー…ホントありえませんわ!」
アリスは少し不機嫌そうにスタスタと歩き出す。
「その言葉遣いも直してね。アリス」
ラビは更衣室に向かうアリスに微笑みかけ、そのままカイルをじっと見つめた。
「…わかったよ…。着るよ。着ますよ…」
ラビから目を逸らし「はぁ」とため息をついたカイルは、仕方なく服を脱ぎ始めた。