ブラッディ アリス


「それでも新品なんだから、文句言うなよ」

ラビはにっこり笑うと、次に靴を二人に渡した。


アリスもカイルも…同じ革のブーツ…。


「…こ…これを僕が…?」

「こんなの…一生の汚点だわ…」

ラビに与えられた物を見つめながら、ブツブツと呟き始めるアリスとカイル。


「いいから。…二人とも黙って着替えて」

ラビが軽く力を入れつつアリスの腕を掴んだ。


「…ちょっと待って!今着替えたらカルサに会えないじゃない!」
アリスは慌ててラビの手を振り払う。

「カルサ様には終わってから会いに行けばいいよ。とりあえず、少しでもその服装に慣れないと…」
ラビはアリスを無理やり立ち上がらせると、着替えるよう促した。

「……もー…ホントありえませんわ!」
アリスは少し不機嫌そうにスタスタと歩き出す。

「その言葉遣いも直してね。アリス」

ラビは更衣室に向かうアリスに微笑みかけ、そのままカイルをじっと見つめた。


「…わかったよ…。着るよ。着ますよ…」

ラビから目を逸らし「はぁ」とため息をついたカイルは、仕方なく服を脱ぎ始めた。





< 247 / 657 >

この作品をシェア

pagetop