ブラッディ アリス
数分後…更衣室からアリスが出てくると、すでに着替え終えたカイルがアリスを待っていた。
「……なによ……」
アリスがカイルを睨みながら見つめる…。
「……どうよ……」
カイルが恥ずかしさを堪えているのがわかる…。
同じブーツが、広い機内の隅に並ぶ…。
「…どうって……ふっ…あはははっ」
突然笑い出すアリスに、つられてカイルも吹きだす。
「ははははっ…あはははっ」
「意外と似合ってる!」
二人は声をハモらせてお互いを指差した。
そんな二人を見つめながら、にっこりと笑うラビ。
「…仲良く歩いていれば、普通に兄妹に見えるよ」
「…え?」
「…きょう…だい…?」
ラビの言葉に反応したアリスとカイルは、ゆっくりとラビのそばへ近づく。
「…今回…二人の役は…両親を亡くし、二人で支えあってきた兄妹。…スイーツホームの噂を聞いて、参加を希望するんだ。…迎えのバスの運転手にね…」
ラビはニヤリと微笑んだ。
「兄と妹…という関係を見れば…運転手は乗せてくれるはずだ。…リトルメラ侯爵が一番求めているものだからね…」
意味深なラビの一言一言に集中しながら、黙って聞いているアリスとカイル…。