ブラッディ アリス
アリエスを出発してから約11時間半後…。
アリス達を乗せたジェット機は、サジタリウスで一番大きなエアポートに着陸しようとしていた。
「やー…結局寝ちゃったなぁ…」
大きく体を伸ばしながらカイルが窓の外を確認する。
「カイル、シートベルト」
アリスは少し疲れたような顔をしてカイルに言うと、静かにシートベルトを整えた。
「…アリスは寝なかったの?」
シートベルトを締めながらカイルは不機嫌そうなアリスに尋ねる。
「…寝たわよ…。少し…」
アリスはカイルと目を合わさないように答えた。
大きな音を立てて着陸準備に入るジェット機…。
アリエスとサジタリウスは時差があるため、外には出発したときと同じように真っ青な空が広がっている。
「…ちょうど…お昼くらいですわね」
「お腹減った。どっかで何か食べようよ…」
カイルはお腹をさすりながら大きくあくびをした。