ブラッディ アリス


ターミナルの中に入った三人は、とりあえず食事をとることにした。

アリスとラビは相変わらず微妙な雰囲気であまり会話をしない…。


「…これからどうすればいいの?ラビ」

カイルは少し気まずそうに二人を伺いながらも、話を進めた。

「…ここから村落の中心地に向かうバスが出てるから…それに乗る。…村落に着いたら僕と二人は別行動だよ」

ラビは少し寂しそうに微笑みながら、スープを口にした。

「…僕とアリスは…そのー…ホームからきたバスを探して乗ればいいの?」

「そうだね。バスはすぐわかると思うよ。ただ…時間が決まってるからね…。夕方の4時が最終…だったかな」

ラビの言葉に頷くカイルと、無言で食事をするアリス…。

「二人とも武器は持ってるよね?…あと、渡した指輪と眼鏡は忘れないで」

カイルは腰にダガーを二本隠し持ち、アリスはスカートの下に愛用の拳銃を隠していた。

「…まさか…持ち物検査なんてしないよね?」

カイルはわざとらしく眼鏡をかけると、ラビにニヤリと笑いかけた。

「それはないよ。侯爵たちは、無力な村落の子ども…としか見ないからね」



< 255 / 657 >

この作品をシェア

pagetop