ブラッディ アリス
ターミナルの中に入った三人は、とりあえず食事をとることにした。
アリスとラビは相変わらず微妙な雰囲気であまり会話をしない…。
「…これからどうすればいいの?ラビ」
カイルは少し気まずそうに二人を伺いながらも、話を進めた。
「…ここから村落の中心地に向かうバスが出てるから…それに乗る。…村落に着いたら僕と二人は別行動だよ」
ラビは少し寂しそうに微笑みながら、スープを口にした。
「…僕とアリスは…そのー…ホームからきたバスを探して乗ればいいの?」
「そうだね。バスはすぐわかると思うよ。ただ…時間が決まってるからね…。夕方の4時が最終…だったかな」
ラビの言葉に頷くカイルと、無言で食事をするアリス…。
「二人とも武器は持ってるよね?…あと、渡した指輪と眼鏡は忘れないで」
カイルは腰にダガーを二本隠し持ち、アリスはスカートの下に愛用の拳銃を隠していた。
「…まさか…持ち物検査なんてしないよね?」
カイルはわざとらしく眼鏡をかけると、ラビにニヤリと笑いかけた。
「それはないよ。侯爵たちは、無力な村落の子ども…としか見ないからね」