ブラッディ アリス
食事を終えたラビは、カタンッと席を立つ。
「二人の身分証…預かっておくよ」
ラビはそっとアリスに手を差し出す。
アリスは何も言わずに身分証をラビに渡した。
「……」
頬杖をつきながら呆れた表情でアリスを見つめ、カイルは身分証をテーブルに置く…。
「ちょっとバスの発車時刻確認してくるから、待ってて」
ラビは優しく微笑むと、レストランから出て行った。
「…ふー…。そろそろ機嫌…直せば?」
黙って食事を済ますアリスの顔を覗き込むカイル。
「…まぁ…わかるよ…。あんなに情報持ってんだもんね。裏で…恐らく首謀者であろうジャックと繋がってるのは…大いに可能性あるけど…」
そんなカイルの言葉に手を止めるアリス。
「…とりあえず…クリアするしかないよ…」
カイルはゆっくりとコーヒーを飲み、さりげなくアリスの手を握った。
「…わかってるわ…」