ブラッディ アリス



30分後…バスはみすぼらしい村落の合間を通り抜け、中心地にある広場で停車した。


「それじゃあ…ホームで会おう」

ラビは二人に小声でそう言い、カイルに小さなメモ紙を渡した。

そしてアリスに軽くキスをした後、先にバスを降りて行った。


「…行きましょう…」

最後にバスを降りたアリスとカイルは、その場から走り去るバスを黙って見つめていた。

すでにラビの姿は無く、二人は周りの様子を伺いながら広場に立ち尽くす。


「…メモにはなんて?」

アリスはふっとカイルの手を見た。

「あぁ!…えーっと…」

カイルは四つ折になったメモ紙を開く。



『二人とも、実年齢より3つ、歳を下げて演じて』



「…は?」

「…3つって…私…15歳ってこと?」

「…僕は…16歳…」

「………」




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