ブラッディ アリス


アリスとカイルはお互い顔を見合わせる。


「…まぁ…私たち童顔だし…」

「大丈夫か…」



そして二人は頷くと、メモ紙をその場の土に埋め、とりあえず歩き始めた。



「…村落って言っても…意外と人が多いのね…」

アリスは興味深そうに周りを見ながら呟く。

「…中心地だからじゃない?…それにしても…子ども…いないね」

「…そうね…」


不思議なくらい…子どもの姿が見えない。

そのせいか、すれ違う大人たちもアリスとカイルを興味深そうに見ている。


「…あの…すみません」

アリスは路上で花壇の手入れをしている中年の女性たちに声をかけた。

「あら…どちらのお子さんかしら?」

「見かけない顔だねぇ…」

手を止めた女性たち数人が集まってくる。

「…ス…スイーツホームっていう施設があるって聞いたんですけど…」

女性たちに圧倒され、少し後ずさりしながらアリスは質問をした。



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