ブラッディ アリス
「あぁ…」
「やっぱりね…」
女性たちは納得したように何かを話し始める。
「入館希望なの?親はどこに住んでるの?」
一人の優しそうな女性が笑顔でアリスとカイルに話しかける。
「…両親は数年前に亡くしました。その後は私たち二人でやってきたのですが…」
「20歳以下であれば、どんな子どもも引き取ってくれる…施設だと聞いて…」
代わる代わる答えるアリスとカイル。
そんな二人を哀れむように見つめる中年の女性たち…。
「そうなの…。入館したいのなら、もうすぐ来る迎えのバスの運転手に言ってみるといいわ」
優しそうな女性はそう言って、バスの来る場所を案内してくれた。
「…ありがとうございます…。…あの…この辺の子どもはみんな…その施設に行っているんですか?」
アリスはあまり良い雰囲気ではない女性たちの顔色を伺うように尋ねた。
「…そうだね…。私も二人子どもがいるんだけど…生活が苦しくて…スイーツホームに預けたよ」
太った女性が暗い表情で答える。
「私の子も…。でも最初に手紙が一通きたきり、何も連絡がなくてね…。最初にサインした契約書には、子どもが一人前になるまで会えないと書いてあったし…」
少しやつれた女性が不安そうに言う。
「…施設のある森の近くを通った人が…子どもの悲鳴を聞いたってゆう噂もあるしね…」