ブラッディ アリス
花壇を手入れしながら、少し厳しそうな雰囲気の女性がわざとらしく呟いた…。
「…そうなんですか…」
アリスとカイルの好奇心が疼く。
「わかりました。ありがとうございます」
「とりあえずバス停に行ってみます。ありがとうございました」
二人は女性たちに一礼をすると、少し速度を上げて歩き出した。
「…やっぱり…子どもはみんなホームにいるんだね」
「…そんなに貧困なのかしら?…大体…子どもを預けたらいくらもらえるのよ…?」
「契約書って言ってたし…遠まわしに人身売買を成約させてるって感じだよね」
「つまり…リトルメラ侯爵の目的は人捜し以外に、子どもを必要とする何かがあるってことね…」
アリスとカイルは顔を見合わせ、ニヤリと不適な笑みを交わした。
「…バス停が見えたわ…」