ブラッディ アリス
ちょうど二人がバス停にたどり着いた瞬間、遠くの方から賑やかな音楽が聴こえ始めた。
「…あれがバス…?…派手だなぁ…」
カイルは目を細め、怪訝(けげん)な表情で見つめる…。
その先には、パステル調の色でカラフルに彩られた大きなバスが一台。
スピーカーから楽しそうな曲を流し、二人の待つバス停に向かってくる。
「あははははは」
「きゃぁ…あはは」
バスには意外と大人数の子どもたちが乗っており、笑っている者もいれば、泣きべそをかいている者もいるようだ。
もちろん、20歳までなら誰でも受け入れる…という条件であるため、アリスやカイルと同い年くらいの子どもも何名か…。
「……名前は…このままでいいのかしら?」
「…や………本名はマズイでしょ…」
…いまさら重大な問題に気づいた二人は、しばし沈黙…。
「…どうすんの?!」
「どうするって…言われても…」
そんなことをしているうちに、バスは二人の目の前にゆっくりと停車した。