ブラッディ アリス
Ⅴ
カナリィの弟…ロビンからの隠されたメッセージ…。
それに気づいたカナリィは、幼少の頃から親しんでいるファルコン、クロウ、オウルに相談し…この施設に入ることにしたという…。
「…私が悪いの…。3年前に両親が事故で死んで、それから生活が苦しくて……だから…」
とうとう泣き出したカナリィを横目に、アリスは何も言わず考えていた。
…『きっところされる』…。
ロビンはなぜ…そう思った?
「…泣くなよ…カナリィ。…ロビンは生きてるって!」
そう言いながらカナリィを慰めるのは…意外にもファルコンだった。
「…おまえ……落ち着いてるな」
アリスの様子をじっと見つめながら、少し離れた所に座っているクロウが口を開いた。
「そういうあなたも…落ち着いてるわね」
アリスはムッとした表情で言葉を返すと、クロウを睨みつける…。
「そりゃ…そうですよ。…この方はあの…アベル家当主様ですからね…」