ブラッディ アリス
……初めて聞いた声が発した、耳を疑うような言葉……。
アリスとカイルは思わず服の中に隠してある武器に手をかける。
「……本当に?…オウル」
クロウが少し驚いた表情で見つめる先には、ニヤリと笑うオウルが立っていた。
「それはご本人に聞いてみるといい…」
少しウェーブがかかっている金色の長髪にリムレス(縁無し眼鏡)をかけたオウルは、にっこりとアリスに微笑む。
「…やっぱり…どっかで見たことあると思ったんだよ」
ファルコンがズカズカと荒々しくアリスに近づいてくる。
「……あ…あの……アリス…様…?」
ついさっきまで涙ぐんでいたカナリィが、目を大きく見開いてアリスを見上げる…。
「……」
アリスとカイルは目を合わせ、同時にオウルを睨みつけた。