ブラッディ アリス


「お初にお目にかかります。アリス・アベル公爵様…」

わざとらしく、深くお辞儀をするオウル…。

「…ラピスラズリ公爵では手に負えず…とうとう『サラマンドラ』を頼った…。…なるほどね…」

クロウは腕を組み、ため息をつきながら壁に寄りかかる。


……カチャッ……


アリスは目の前で立ち止まったファルコンに拳銃をつきつけた。

「…あなたたち……ただの村子どもじゃなさそうね…」



「…まっ…待って…!アリス様!…この三人は貴族なんです…!」

拳銃を見たカナリィが慌ててアリスに駆け寄る。


「…え?」

「き…ぞく…?」


アリスとカイルは、目を丸くする。


「…本当です…!…嘘じゃない……」

アリスを真っ直ぐ見つめるカナリィは、そっとアリスの右手に触れた。


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