ブラッディ アリス
「………」
アリスはじっとカナリィを見つめ返す…。
「…カナリィの言う通りです。アベル公爵…」
アリスの様子を伺いながら、オウルは静かに口を開いた。
「そして…カナリィも貴族でした…。ご両親がお亡くなりになるまでは」
「………」
アリスは目線をオウルに移す。
そしてすぐカナリィに目線を戻し、カナリィの手を振り払った。
「…ふん…」
少し不機嫌そうに、ゆっくりと拳銃を仕舞うアリス。
そばにいたカイルが何かに気づき、ニヤリと笑う。
妙な雰囲気が、室内を包み込む…。
「……?」
疑惑と警戒の眼差しで、アリスとカイルの様子を伺う4人…。
そんな4人に突然、満面の笑みを見せたアリスは、普段とは違う明るく大きな声で言い放った。
「私の名前はアンジェラ!これからよろしくね!」