ブラッディ アリス
「…期待通りね…」
不適な笑みを浮かべ、二人の執事を見つめるアリス…。
「…六名…ですね。…寮舎『ミルフィーユ』にご案内します。ついてきてください」
顔色を変えず、アリスに微笑み返すジャック…。
そして同じく自然な態度で誘導する…長い銀髪を一つに束ねた男…。
「…リーク…と…ジャック……ね」
そう呟いたカイルが、アリスの肩をポンッと叩く。
「呼び間違いのないようにね……お・た・が・い」
アリスはカイルの手をぎゅっと握ると、そのまま手を引きパタパタと小走りで、執事二人に近づいた。
「…すみません!…あの……私たち同じ部屋になりますか?」
不安そうな表情で尋ね…あどけない村子どもを演じるアリス…。
「…ああ…君たちは兄妹?…」
そんなアリスの問いかけに、優しく言葉を返すのは…。
「大丈夫だよ…。ここの六人はみんな同じ部屋だから」
…執事リークに扮する…一匹の兎…。