ブラッディ アリス


アリスに睨まれたジャックは、クスッと笑う。


「…ええ…、15歳以上の子どもはほとんど…すでに仕事につき…生きる術を身につけているはず…。そう思ったので、リトルメラ侯爵様はこの12名分しか用意しませんでした」

「…集落で生活されている仲間はどうですか?もう働いているんじゃないでしょうか?…ですから、あなた方のように、その年齢でここにやってくるのは…大変めずらしい…」


不気味に微笑む二人の執事が、淡々と話す。


「…質問があります…」

アリスはツンとした表情で、ジャックを見た。


「私たちが20歳以下だと…どうしてわかるんですか?」


ジャックは階段に寄りかかり、ニヤリと笑う。


「…君たちが乗ってきたバスの運転手……彼には相手の年齢がわかる能力があります」


「…え?」

驚くカナリィと、ファルコン…。

アリスを含む他の四人は、冷静な表情でジャックを見つめる。



…カタンッ…!


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