ブラッディ アリス


冷たく言葉を投げたのは、ファルコンだった。


「そ…そんな風に言ったらダメだよ…!ファル!」

不機嫌そうにソファーに座るファルコンに対し、焦るカナリィ…。

「…ごめんね!ノーカさん!…私はカナリィ…。この三人は私の幼馴染なの」

きょとんとした様子のノーカは、大きな瞳でカナリィを見つめる。

「…僕の名前はオウルです。よろしく」

そんなノーカの視界に割り込み、にっこりと笑ったオウルが手を差し出した。

「…あ…あ、はい。…よろしく…」

少し戸惑いながら、ノーカはオウルと握手を交わす。

「………俺はクロウ。…で、あの態度の悪いのがファルコンだ」

クロウはファルコンの方をチラッと見た後、無表情でノーカに自己紹介をした。


「…よ…よろしくお願いします…!」

ノーカは全員の顔を交互に確認しながら、最後には笑顔を見せた。


そんな中、キッチンにいるザリチェは淡々と夕食の支度をしていた…。








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