ブラッディ アリス


「…完成。…えっと…あなたの名前…」

「…僕?…僕はカルマ」

「…そう…ありがとう。じゃあカルマ、冷蔵庫にサラダとハムがあるから、出してくれる?」


ザリチェはパタパタと食器棚に向かい、スープ皿を用意し始めた。

カイルはザリチェを目で追いながら、とりあえず冷蔵庫の扉を開ける。


大きな皿に、大盛りのサラダとハムが、冷蔵庫の中を占拠している…。


「…事前にわかってたの?人数が増えること…」

カイルは驚き、思わずザリチェのいる方を振り返った。


「…うん。…だからスープも…先に下準備だけしておいたの」


ザリチェは皿にスープを注ぎながら、ゆっくりと答える。



「…そうなんだ…」


カイルは少し何かを考えた後、サラダの盛られた皿を冷蔵庫から取り出した。



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