ブラッディ アリス


食卓テーブルには、12名分の椅子が用意され、この『ミルフィーユ』には12人しか招かれないんだと、改めて認識させられた。


ザリチェに呼ばれたアリス達は、とりあえず席に座る。

「やっぱり大勢はいいね!四人でこのテーブルは広すぎたもん」

さりげなくカイルの横に座ったノーカは、嬉しそうにそう言った。

「…ねぇ…?…ザリチェ…のお兄さんは?」

誰もが思っていたことを口にし、少し遠慮がちにザリチェの顔を見たカナリィ…。

「…もうすぐ来る。もう終わってると思うから」

ザリチェは慣れた手つきでサラダを小皿に取り分け、一人ずつ順番に皿を渡す。



『…もう…終わってる…?』


アリスとオウル、クロウの頭の中で、疑問符が同時に浮かぶ。


「どうぞ、食べて」

全員にサラダが渡った時点で、ザリチェは自分の前で手を合わせた…。



「いただきます」



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