ブラッディ アリス


慣れない場所での緊張に、空腹を忘れていた六人は、目の前に並べられた料理の良い香りに思わず唾を飲む。

「いただきます」

各々は小さくそう言った後、ザリチェの作った夕食を口にした。



「…美味しい!」

カナリィが驚いたようにザリチェを見る…。

「うん。料理、上手だね」

そしてカイルがにっこりとザリチェに微笑みかける。

「…ありがとう…」

ザリチェは無表情で答える。

「わ…私はお菓子作りが得意なの!明日作るから食べて?ねっ?カルマ」

カイルの腕を引っ張るノーカ。

「…モテるねぇ…」

パンを頬張りながらファルコンがカイルを睨む。

「綺麗な顔立ち、してますからね。カルマくんは」

オウルがわざとらしく言う。

「……そんな顔なら、目立ちそうな気もするけど。どこの村から来たの?」

クロウがニヤリと笑いながら、カイルに問いかける。

「……お前ら…。…お前らこそどっから来たんだよ…」

冷や汗をかき苦笑いをしながら、男三人を睨むカイル…。



……カチャーーンッ……



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