ブラッディ アリス
オウルは少し嬉しそうにアリスに問いかけた。
「…たまーに…パーティーでお見かけするわ。…直接話したことはないけど、有名よね。…女癖の悪さは」
アリスは意地悪そうにオウルの顔を覗き込む。
「……まぁ……有名ですよ。…社交界ではね…」
オウルは自分を見つめるアリスの生意気な表情に、微かに胸を躍らせた。
「…僕はデルデ家の次男です。父の跡を継ぐのは兄なんで…比較的自由に行動できるんですよ…」
そう言いながらオウルは、アリスの頬に手を当てる…。
「…アベル家に婿入りする……というのは、どうでしょう?」
「…え…?」
オウルの手はアリスの顎へと移動し、親指が唇に触れる。
「……噂以上にお美しい方ですね。あなたは」
微笑むオウルの瞳をじっと見つめるアリス…。
「…ふふ…。…あなたの狙いは、可愛い幼馴染の隠し持つ…ご両親の遺産でしょう?」
そして、ニヤリと笑い返す。