ブラッディ アリス
「…!」
「図星、みたいね」
オウルが戸惑った一瞬の隙に、アリスはオウルの手を振り払った。
「…ふ……。…あなたの方が魅力的ですよ。…とても…」
オウルはクイッとリムレスを直すと、内心を誤魔化すかのような笑顔を見せる。
「……ふん…。そんな眼鏡かけてたら、すぐに貴族だとバレちゃいそうだけど……」
アリスは呆れたようにため息をつくと、一歩ずつ足を進めた。
「……どこに行かれるんですか?」
当然のようにアリスと一緒に歩き始めるオウル。
「…べつに…。どこでもいいでしょ……」
嫌そうにオウルに答えるアリス。
「ご一緒してもいいですか?」
「…できればご遠慮願えるかしら…?…ミスター……」
何かに気づいたアリスはそう言いかけ、突然ピタッと足を止める…。
「え…?」