ブラッディ アリス


アリス、オウル、クロウ、カイルが同時に言葉を発し、困った様子のザリチェを見た。


「…え?…わかった…って…」

ノーカの驚いた表情に、一瞬ギクッと身を固める四人…。

そんな四人は、ザリチェが何を説明したいのか、すぐ理解できてしまったのだ。


「…噂でよく聞く…。貴族が政治や金のために、村娘なんかを屋敷に連れてきて、夜伽のための教養をするって…。…そういうことじゃなくて?」

アリスは落ち着いて、驚くノーカとザリチェに答える。

夜伽(よとぎ)とは、女が寝所で男の相手をする…ということ。


「……そ…そのとおり……。他にも色々、美の教養や、舞の教養なんかもあるんだけど……」

ザリチェは俯いた。

「…私たちの相手をするのは、あの執事二人…。今まではジャックさん一人で、交互に私とザリチェの相手をしてたんだけど…」

俯くザリチェの背中を摩りながら、ノーカが続けて話し始めた。

「人数が増えたから、あのリークさんが雇われたんだって…」


「…ぶっ…」


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