ブラッディ アリス


アリスの表情が、険しく変わる…。


「……男子の訓練…って、何なんだ?」

平然と構えるクロウが、タウティに問いかけた。

「…男子は武術や、女性の扱い方なんかを習うんだ。明日から僕とクレスタも少し教えていくから…。時間は午前中と夕方。……僕らの先生も、ジャックさんとリークさんだと思う…」

遠慮がちに笑うタウティは、さりげなくザリチェの頭を撫でた。

「……それ以外はほとんど自由時間。…学問の勉強なんかは、そこのパソコンとか使って自由にやるんだ。…屋敷……リトルメラ邸には大きな書斎もあるから、そこも使っていいって…」

「…15歳未満のいる施設にも、行っていいのか?」

クロウはタウティの説明を遮り、少し焦っているかのように質問をした。

「…いいと思うよ。こっちとは逆側にあるから、けっこう歩くけど…」

そんなタウティの言葉に、顔を見合わせるカナリィたち…。


「…先に風呂入るからっ!」

そんな中…突然言い放ったクレスタの大きな声が、暗い雰囲気を一瞬で解くように響いた。


「…とりあえず…ゆっくりしなよ。…ここではちゃんと従えば、命の危険は何もないから」

タウティはそう言うと、ザリチェと一緒にダイニングの片付けを始めた。



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