ブラッディ アリス
「…え?」
その場にいた誰もが、クロウの言葉に驚きの表情を見せた。
「…行くぞ…」
「え?…あ…うん」
怪しい雰囲気のまま、クロウはカナリィを連れてさっさと部屋へ行ってしまった。
「…な…なに?いいの?オウル?」
アリスは思わずオウルの様子を確認したが、彼は余裕の笑みを浮かべ頷いた。
「昔から、ナイトでしたからね。クロウは」
「…もしかして…三角関係なの…?」
アリスとオウルの意味深なやりとりに、みるみる好奇心でいっぱいになっていくノーカの表情…。
「え?…でも…四人いるし…。ってことは…」
「俺、階段のすぐ横。一人で使うから」
明らかにイライラしているファルコンが、ノーカを睨み、二階へと上がって行った。
「…こわーい…」
ノーカはムッとした顔でファルコンを睨み返す。
「他人の恋沙汰に、あんま首つっこまない方がいいよ。ノーカ」
そんなノーカに、ウインクをするカイル。
「…わ…わかってるわ…」
カイルの一言一行に常々胸躍らせるノーカは、確実にカイルへの恋心を募らせ始めていた…。