ブラッディ アリス
「今夜は新入りの二人、カナリィとアンジェラ…」
ジャックは向かいに座るラビにコインを見せる。
「表が出たら、今日の相手は君に選ばせてあげるよ。…裏が出たら、僕が選ぶけどね」
そう言ってコインをラビに渡したジャックは、微笑みながらラビを見つめた。
「でも結局ローテーションでいくんでしょう?…べつに誰でも…いいじゃない…」
二人の様子を見ながら、ラミアは不思議そうな顔をした。
「ラミア、初日の相手って意外と大事なんですよ」
ジャックは楽しそうに答える。
「…リークは美少女に弱いですからね…。相手によっては、手を抜いてしまうかもしれない…」
ラビはジャックの言葉に鼻で笑った後、何も言わずにコインを天井に向け、ピンッとはじいた。
コインは高く舞い上がり、回転しながら素早く落ちる。
そしてラビは右手の甲と左手のひらで、パシッとコインを受け止めた。
「……裏……」
コインを見つめるラビが呟き…ジャックは立ち上がる。
「…残念だったね、リーク。……じゃ、行こうか…」
にっこりとラビに微笑むジャック…。
「食後のデザートを食べに、ね」