ブラッディ アリス



「…で、あの二人は何時に来るの?」

ダイニングで片付けをしているタウティとザリチェを、さりげなく手伝いながらアリスは二人に尋ねた。

リビングではカイル、ノーカ、オウルの三人が何やら盛り上がっている。

「…ありがとう…。いつも通りだったら、たぶんあと1時間くらいで来ると思う…」

アリスに優しく微笑みながら、タウティは答えた。

「…そう…。…よく逃げ出さないで…ここにいるわね」

食器を洗うザリチェの横に忍び寄るアリス…。

「……まぁ…、取り返さないと…帰れないわよね…」

囁いたようなアリスの言葉に、一瞬目を見開くザリチェ。

「……リリス家の……大事な鏡……」

そう言いながらニヤリと笑うアリスの首に、スッと包丁が向けられる。



「…邪魔はしないでくださいよ。…アリス様」



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