ブラッディ アリス



…ビクッ……ビクンッ…!



一瞬…大きく体を震わせたノーカは、声にならない声を出し…そのまま、気を失ってしまった…。


「…早すぎ…。つまんない女…」

ベッドの上の動かないノーカを見つめながら、カイルはポツリと呟く。

「まぁいいや…。けっこー利用できそうだし」

そしてノーカに優しくブランケットをかけ、ノーカの額に口付けをした。


「おやすみ。僕のマリオネット…」





ニヤリと笑う一匹の猫が、暗闇にその瞳を妖しく輝かせる。


穴に堕ちてしまった少女を…
一番そばで見守ること、見つめること、見届けること…

少女のためなら手段を選ばないと決めた…。



いつか真実を告げても、後悔しないように。



「…アリス…」



姿を消せたら、どんなにいいだろうか。


ずっと君のそばにいられたら、どれほど薔薇色に染まれるだろうか…。








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