ブラッディ アリス



「…着きました…」



寮舎を出た四人は、歩いて10分くらいの所にあるコテージにたどり着いた。


「意外と近いんですね。もっと遠いかと思った」

アリスはツンとした態度で、そっけなく言い放つ。

「でもなかなか見つけにくい場所…なんですよ」

たしかに…周りは木々に覆われていて、簡単には見つけられなさそうだし…来た道も入り組んでいた気がする…。

そう考えながらアリスは、さりげなく周りの景色を確認していた。


「…この場所は誰にも言わないでくださいね」

ジャックの一言に、一瞬動きを止めるアリス…。

「…誰かに言ったら…どうなるの…?」

「……さぁ……あんまり良いことはないと思いますよ…」


ジャックの笑みが、夜の暗がりのせいで恐ろしく不気味に見える。



「…では、リークとカナリィは左のコテージで。…初夜ですから、どうぞ朝まで…ごゆっくり…」



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