ブラッディ アリス


「…は?」


…私が…この男の子どもを産む……?



「何を言っているの?」


必死にジャックの言葉を理解しようとするアリスだったが、どう考えても受け入れられない…。



「何って?ただの取引ですよ?…私はカナリィに何もしません。そして、あなたは私の子どもを身ごもり、産む。…不満ですか?」


ジャックは平然とそう言いながら、アリスの腕をグッと掴む。


「……」

何も言わず睨みつけるアリスに、ふっと鼻で笑い返すジャック。

「…アベル家当主というご身分のあなたが…簡単に体を差し出してはいけません…」


服の中に隠されていた無意味な拳銃がジャックの瞳に映る。


「……愛する者だけに…差し出すべきですよ…」


そう言いながら、ジャックは床に落ちたアリスの服を拾った。


「どうします?…服を着ますか?…それとも…」



それとも…


『愛する者』として…



「私に抱かれることを選びますか?」




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