ブラッディ アリス
ⅩⅣ
……ガチャ……
翌朝6時…寮舎ミルフィーユに戻ったアリスとカナリィは、そっと玄関の扉を開ける。
室内はポカポカと暖かい。
窓から差し込んだ穏やかな太陽の光の中に、フワフワとホコリが漂うのが見える。
「…おはよう。おかえりなさい。お疲れ様」
朝食の支度のため、すでにキッチンにいたザリチェが顔を出した。
「…おはよう…」
アリスとカナリィはほぼ同時にそう言い返して、リビングのソファーに静かに座る。
「…大丈夫…?」
二人の疲れきった表情に少し心配したザリチェは、冷蔵庫にあったアイスティーを慌てて用意した。
「…ありがとう…ザリチェ…」
力が抜けたような笑顔でアイスティーを受け取るカナリィ。
「ありがと」
アリスは受け取ったアイスティーを一気に飲み干す。
「…何かあったの…?」