ブラッディ アリス
心配そうに二人の様子を伺うザリチェが、カナリィの横に腰掛けながら尋ねた。
「………どうだった?…リークさんは…」
少し間をおいて、アリスは体を伸ばしながらカナリィに聞く。
「…優しかっ…たよ…。緊張して全然眠れなかったけど」
カナリィはグラスをぎゅっと握り締め、アリスから目を逸らす。
「私も眠れなかった…。最低最悪ね、あいつ」
アリスは不機嫌そうに首をポキポキと鳴らしている。
「……初日は…一緒にベッドで眠るだけ…のはずだけど…」
ザリチェが不安そうに小声で呟いた。
「…あ、そうだったよ。…腕枕して…。あの人、すごく良い匂いがするから、ドキドキしちゃって…」
カナリィは俄かに顔を赤くしながら小声で答える。
そして、「アリス様は?」というような顔でアリスをじっと見つめた。
「…内容を話しちゃダメなんでしょ?…言ってもいいなら言いふらしたいくらい、酷かったけど」